その石材の特性を理解
墨を入れるものと入れないものでは彫る深さを変えていますし、石材の色によっても同じです。
また、陰影の入り方なども考えて彫刻しております。
その特性をよく観察して、彫刻することが大切であると日々感じております。
以下では、弊社での文字彫刻についてのやり方や考え方が記してあり、文字彫刻をする際の参考にしていただけたら幸いです。
文字彫刻の流れ
仏石の運搬・下準備
字を刻む墓誌、仏石を工場に持帰ると工場内の天井クレーンを使用し、文字彫刻専用の場所まで移動します。
墓誌、仏石の水滴・土埃・汚れなどを拭き取ってからそのまま1日以上乾燥させ、石材の状態を確認してから文字彫刻を行います。
この作業を怠ると文字がキレイに彫刻できなかったり、墨入れをした石材から水が浮き、墨がうまく定着しません。
短納期、湿度の高い時期につきましては石材専用の乾燥機を使用し、石にダメージを与えないよう作業を行います。
版下の用意
彫刻する文字をパソコンに入力し、カッティングマシーンで文字を書き込み、文字の大きさ、バランス、原稿通りか確認後、切り抜く作業に入ります。
文字の彫刻
切り抜きが終わると墓誌、仏石にゴムシートを貼付け、切り抜いた文字を取り除き、ゴムハンマーで叩き石材とゴムシートをしっかり定着させたら、文字を彫る周りを養生してからサンドブラストで文字を彫っていきます。
墓誌、仏石に文字を切り抜いたゴムシートを貼る前にほこりやゴミをキレイな布で拭きあげてから墓誌に貼付けます。
陰影が付くようある程度の深さに、一文字一文字丁寧に彫り進めていきます。
石粉の除去・墨入れ
文字を彫り終わるとエアーで石の粉をしっかりと取り除いてから、墨入れの作業を行います。
文字に墨を入れる作業は、ほこりやゴミが入らないようある程度密閉された空間で行い、薄く1回目の墨を入れた後、乾いて墨が定着したのを確認してから2回目の墨入れを行います。
通常2回から3回墨入れを行い、工場内の温度・湿度の状況を見て、その都度墨の調合、入れる回数を調整しております。
墓地に運搬・再設置
文字が乾いたのを確認したら、元の場所に設置をして完成となります。
文字の追加彫り相談
まずはお気軽にご相談ください。ご戒名やご命日・行年などの彫刻内容や、お墓の墓所、
その他ご希望がございましたらお知らせください。お墓のプロがお応えいたします。
現場彫りと工場彫り
文字彫刻には「現場彫り」と「工場彫り」の2種類があり、弊社では「工場彫り」で文字彫刻を行っております。
お互いにメリット、デメリットがありますが、現場彫りのメリットとしましては、その場ですべて完結することができ、運搬の必要がないため傷をつけるリスクが少ないことです。デメリットは、野外での作業となるため、天候の影響を受けやすいことです。特に墨入れはほこりやゴミが入ると見栄え、劣化の原因にもなるためです。
その点、工場彫りは密閉された場所で行うため、その心配も少ないと言えます。工場彫りのデメリットとしては、運搬により墓誌に傷をつけるリスクがあることです。弊社では墓誌運搬時、墓誌がトラックの荷台に接する面すべてに毛布を敷き、しっかり養生してから運搬、文字彫り前と設置時には点検も行っております。
墓石に文字を彫刻する場合もこれと同じです。
遠方などの場合は、現場彫りで対応することがございます。
文字の彫刻のよくある質問
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お墓や墓誌に文字を彫刻して欲しいのですが何が必要ですか?
亡くなった方のお名前、亡くなった方のご年齢、亡くなった年月日、戒名(法名)の4項目が必要になります。